サクライブ

さくらい@Fate_7

Aqours5thLIVE 簡易まとめ

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ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~に参加した感想です。

 

今回のAqours五度目のナンバリングライブは、2019年6月8日、9日に埼玉メットライフドームでの開催となりました。

ライブビューイング映像は日本の他にも海外6か国*1で上映。

 

セットリスト

01.僕らの走ってきた道は…

02.スリリング・ワンウェイ

03.青空Jumping heart

<MC1>

04.SKY JOURNEY

05.Daydream Warrior

<幕間SDアニメ1>

06.逃走迷走メビウスループ

07.予測不可能Driving!

08.Marine Border Parasol

09.ハジマリロード

<劇場版ダイジェスト映像1>

10.Hop? Stop? Nonstop!

<幕間SDアニメ2>

11.恋になりたいAQUARIUM(1日目)

11.HAPPY PARTY TRAIN(2日目)

12.君の瞳を巡る冒険(1日目)

12."MY LIST" to you!(2日目)

13.未来の僕らは知ってるよ

14.SELF CONTROL!!

15.Believe again

<劇場版ダイジェスト映像2>

16.Brightest Melody

17.Over The Next Rainbow

<MC2>

18.ホップ・ステップ・ワーイ!(1日目)

18.Jump up HIGH!!(2日目)

EN1.卒業ですね

EN2.Guilty!? Farewell Party

EN3.サクラバイバイ

<劇場版ダイジェスト映像3>

EN4.Next SPARKLING!!

 

劇場版をなぞる今回のライブでは、背後にひとつの大きな課題があったように思います。

 

"シンクロパフォーマンス"

アニメとのシンクロを行うAqoursは、今回なぞる劇場版で3年生の果南・鞠莉・ダイヤが卒業すると、3年生キャストもシンクロして卒業することになってしまいます。

すでに後続のライブイベントを予定しているAqoursは、卒業のシンクロを避けなければいけなかったのだと思います。

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"卒業"による切り離し

ラブライブ!サンシャイン!!にはアニメ2期Blu-ray特典として設けられた3曲の卒業ソングが存在します。これらユニット曲は2018年6月下旬のリリースでしたが、その3ヶ月後から開催されたユニットファンミーティングツアーでは一切披露されませんでした。

今回のセットリストにおいて満を持して歌われた3つの卒業ソング<EN1.卒業ですね> <EN2.Guilty!? Farewell Party> <EN3.サクラバイバイ>は、『アニメ本編Aqours軸シンクロ』からの卒業を重ねていたのだと思います。

2つのAqoursの別れのトリガーとなったのは、<17.Over The Next Rainbow>です。切り離しの楽曲として聴いても違和感がないうえ、Saint Aqours Snow名義のためこの先の展開でも共に活動を予定しているSaint Snowの二人も一緒に切り離します。

会いたかった 遠い場所にいても いつかまたね会えるよね

Over The Next Rainbow

 

5thLIVEという儀式

5thLIVEがなぞった劇場版の物語には、『新しいAqours』『全部ここにある』『ずっと残っていく』といった言葉や教訓が存在します。これらに「Aqoursが物語から解き放たれていく」という文脈を乗せていくことで、実質の卒業式の形が出来上がります。

5thLIVEは、劇場版の物語と同時並行的に執り行われる切り離しの儀式でした。

またこの9人でライブできることを夢見て、今日からまた頑張っていきたいと思います

<MC2>桜内梨子逢田梨香子さん

 

新しいAqours

Aqoursには新しいシンクロの形があるのだと思います。この先にはラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARSという新しいシンクロ先になり得る軸が待っていますし、すでに我々はいくつかのシンクロの形を目にしているはずです。

前回の4thLIVEの『想いよひとつになれ』では「アニメ映像とのシンクロ崩し」が行われ、映像の再現にとどまらない新たな可能性が提示されました。

2019年3月末~4月末にかけて開催されたアジアツアーでは「フィルムコンサート」という形のライブがなされました。アニメ本編のダイジェスト映像を手がかりに当時のその場面に戻る、シンクロによって時空すら飛び越えたライブでした。

Aqoursが時空を行き来できることが実証されているいま、この先にどんな未体験が待っているのか楽しみで仕方がありません。

あたらしい輝きへと手を伸ばそう

Next SPARKLING!!

 

 

 

 

*1:韓国・台湾・香港・アメリカ・カナダ・タイ。上映国数は4thLIVE(12ヵ国)に比べて大幅減。劇場版は海外14ヵ国で上映しているが...

Aqours 歌詞表記ゆれの変遷

ラブライブ!サンシャイン!!TVシリーズを彩る楽曲群。それらの歌詞の中で『こころ』という語は歌詞カードの表記において明らかにひらがなとカタカナで使い分けられています。

そこで、何かを見出すべく雑に羅列してみました。

‪『こころ』の他に、せっかくなので『ひかり』『みらい』もピックアップ。‬

 

君のこころは輝いてるかい?『こころ』『みらい』‬

決めたよHand in Hand『心』

ダイスキだったらダイジョウブ!『心』『ひかり』‬

夢で夜空を照らしたい『こころ』‬

未熟DREAMER『こころ』『光』『未来』

想いよひとつになれ『こころ』『未来』

MIRAI TICKET『ヒカリ』『ミライ』

‪MY舞☆TONIGHT『こころ』『光』‬

‪MIRACLE WAVE『こころ』『光』

‪Awaken The Power『ココロ』『ミライ』‬

‪WATER BLUE NEW WORLD『ココロ』『ミライ』‬

‪WONDERFUL STORIES『ミライ』

‪キセキヒカル『こころ』『ヒカリ』『ミライ』

僕らの走ってきた道は…『ココロ』『光』『未来』‬

‪Hop? Stop? Nonstop! 『ココロ』『ミライ』

‪Brightest Melody『ココロ』『ミライ』‬

Next SPARKLING!!『こころ』『未来』‬

 

『ひかり』に関しては別の語で表現されることが多々あるせいか、読み取りづらい結果になりました。

 

「Awaken The Power」以降、『こころ』はカタカナで表記されるようになっています。

「キセキヒカル」の『迷いに揺れるこころ』はひらがな表記になっていますが、過去の自分たちを指してのパートのためむしろ整合性が取れる形です。‬

カタカナ語Aqours内で特有の意味をもって共有される、輪郭を帯びた語のように感じられます。

MIRAI TICKET」以降『みらい』はカタカナ表記になりますが、「僕らの走ってきた道は…」にて『未来の僕らは...?』は不定形の『みらい』を指して漢字表記が使われています。前後の文脈に依る場合が必至なので、気を払ったほうがよさそうです。

‪劇場版にてさいごを飾る「Next SPARKLING!!」では、かつて共有されていた"Aqours語"は使われていません。

 

‪1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」では全曲で唯一ひらがなの『みらい』が使われていたり、アニメ1期3話にして早々に2つのカタカナ語が挿入歌タイトルになっていたりと、読み込んでみると面白そうです。「Over The Next Rainbow」には新たなカタカナ語が出てきているので、読み甲斐があります。

歌詞表記のゆれは、高海千歌Aqoursの意思に近づくためのヒントになり得るかもしれません。

Aqours4thLIVE・大好きループ論

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2018年11月17日、18日に東京ドームで開催された「Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~」。とても良いライブでした。

プロジェクト初のオーケストラの参加、サンシャイン!!の物語を総括する内容。

そして、「感謝の気持ちを込めたライブ」と明言されています。

それらをつなぐキーとなったのはやはり、このライブに向けて発売されたテーマ曲「Thank you,FRIENDS!!」であったと思います。

 

 

10人目のメンバーたち

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この度のライブTシャツは10人目がAqoursメンバーと併記してクレジットされるというデザイン。

そんな誰もが参加者となれるライブで、No.10の一員として加わった指揮者・加藤達也さんと浦の星交響楽団

彼らが参加するに至ったのは、劇伴と共に過去を振り返り、集大成とするライブ構成がとられたからでした。

 

 

これまでの歩みの回顧

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オーケストラを伴って振り返るはじめのシーンは、スクールアイドル部の表札が取り外されるカットでした。このカットを起点として回想していき、回想が明け、終盤「WONDERFUL STORIERS」に帰着します。

君のこころは輝いてるかい?」「Step! ZERO to ONE」から始まったこのライブは、同時にメルパルクホールの1stシングル発売記念イベントを想起させるかのようでもありました。

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わかった。私が探していた輝き。私たちの輝き。足掻いて足掻いて足掻きまくって、やっとわかった。最初からあったんだ。初めて見たあの時から、何もかも、一歩一歩、私たちが過ごした時間のすべてが、それが輝きだったんだ。探していた私たちの、輝きだったんだ!

高海千歌伊波杏樹

東京ドームという場所で過去を振り返り、集大成とするライブ。それはキャストの活動をも振り返る、これまでの全ての感謝を伝えるライブであったがゆえかと思います。

 

 

テーマ曲としての「Thank you,FRIENDS!!」

平易な言葉と普遍的な内容で構成されるがゆえ、幅広くさまざまな関係に当て込むことが可能なこの曲。

ですが、歌詞内の『ループ』『永遠』および『Eternal』は韻を無視して唐突に出現したように感じられました。

浮かせている、つまり殊更強調したい、4thLIVEのキーワードとなる言葉なのだと思います。

ねえ大好きだよってさ 大好きだよってさ

ループしたいよ歌いたいよ!

「Thank you,FRIENDS!!」 2サビ

 

 

大好きループ論

ライブのMCで定番化している『ついてきてくれますか?』の呼び掛け。歓声で応えるやりとりを再三行ってきたわけですが、今回夢の舞台に立つにあたってAqoursはさまざまな媒体を通して『皆さんのおかげでこの場所に立てた』といった言葉を残しています。頑張ったのはあなた方に他ならない、と言いたくなりますが、『皆さんがいたから頑張れた』とも言ってくれています。

『ついてきてくれますか?』と聞くわりに『皆さんのおかげ』。構図として違和感を持ちましたが、「Thank you,FRIENDS!!」を踏まえ素直に受け取るならば、下図のような永久機関が出来上がります。

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これまでの道のりを回顧しつつの集大成的な内容は、夢の舞台への到達に際する感謝と、際限ない増幅のループを提示するものだったのだと思います。

 

この度のAqoursの4thLIVEは、目にした誰しもに先の景色を確信させる、新しい場所を拓くものでした。

応援の声を出し続ける限り、Aqoursの輝きは、繰り返し愛を受け膨らんでいく上腕二頭筋のように大きくなっていくのでしょう。

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手話であり、「Thank you,FRIENDS!!」内の振り付け

Aqours3rdLIVEのすべて

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ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~に参加した感想です。

 

ラブライブ!サンシャイン!!は、2015年2月26日に雑誌『電撃G's magazine』上で開始された読者参加企画を皮切りに、2016年7月から9月までテレビアニメ1期全13話が放送された作品です。

そして、2017年10月から12月までのテレビアニメ2期全13話の放送、2018年4月27日・28日のHAKODATE UNIT CARNIVALを経て、3rdライブツアーが開催されることになりました。

Aqoursでは二度目になるライブツアーは、2018年6月9日、10日には埼玉公演(メットライフドーム)が、6月16日、17日には大阪公演(大阪城ホール)が、7月7日、8日には福岡公演(マリンメッセ福岡)での開催となりました。

ライブビューイング映像は日本の他にも海外12か国*1で上映されました。

 

セットリスト

01.未来の僕らは知ってるよ

02.君の瞳を巡る冒険

<MC1>

03.“MY LIST” to you!

04.MY 舞☆TONIGHT

05.君のこころは輝いてるかい?

<2期振り返りアニメ1>

06.MIRACLE WAVE

<MC2>

<SDアニメ1>

07.One More Sunshine Story / 高海千歌(全公演一日目)

07.Beginner's Sailing / 渡辺曜(全公演二日目)

08.おやすみなさん! / 国木田花丸(全公演一日目)

08.RED GEM WINK / 黒澤ルビィ(全公演二日目)

09.in this unstable world / 津島善子(全公演一日目)

09.WHITE FIRST LOVE / 黒澤ダイヤ(全公演二日目)

10.Pianoforte Monologue / 桜内梨子(全公演一日目)

10.New winding road / 小原鞠莉(全公演二日目)

11.曲目なし(全公演一日目)

11.さかなかなんだか? / 松浦果南(全公演二日目)

<SDアニメ2>

12.空も心も晴れるから

13.SKY JOURNEY

14.恋になりたいAQUARIUM

<2期振り返りアニメ2>

15.Awaken the power / Saint Aqours Snow

<MC3>

16.曲目なし(埼玉・大阪公演)

16.DROPOUT!? / Saint Snow(福岡公演)

<2期振り返りアニメ3>

17.WATER BLUE NEW WORLD

<私たちの輝きはそこに(劇伴)>

<新作アニメ(2期12.5話)>

18.青空Jumping Heart

19.曲目なし(埼玉・大阪公演)

19.キセキヒカル(福岡公演)

EN1.Landing action Yeah!!(埼玉・大阪公演)

EN1.ホップ・ステップ・ワーイ!(福岡公演)

EN2.勇気はどこに?君の胸に!

<MC4>

EN3.WONDERFUL STORIES

 

Aqoursが伝えたかったことのすべて

以下のメディアなどを通してキャストから語られたことがすべてです。

ラブライブ!サンシャイン!! Aqours浦の星女学院生放送!!!~Aqoursだよ!いち、に、のサンシャイン!!~(2018/07/20放送)

ラブライブ!サンシャイン!! Aqours浦の星女学院RADIO!!!(第118回、第119回、第120回、第121回、第122回放送)

声優アニメディア 2018年9月号

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全部言うAqours

今回のライブ後のキャストによる感想戦は異常な様相を呈しています。

感想や裏話の域を越えてライブの解説がなされており、特に声優アニメディア2018年9月号の情報量は圧倒的です。

これらからは演出意図から逸れた受け取り方を許さないという姿勢をとっているかのようにすら見えます。

これらがなんの意図があってのことかは定かではありません。何かを訴えているような、このさき我々に何かが望まれているような、そんな気がしています。

 

 

 

*1:韓国・台湾・香港・シンガポール・ドイツ・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・タイ・インドネシア・フィリピン。海外の上映館数は前回より大幅に増加。

HAKODATE UNIT CARNIVALの感想

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Saint Snow PRESENTS LOVELIVE! SUNSHINE!! HAKODATE UNIT CARNIVALに参加した感想です。

 

ラブライブ!サンシャイン!!は、2015年2月26日に雑誌『電撃G's magazine』上で開始された読者参加企画を皮切りに、2016年7月から9月までテレビアニメ1期全13話が放送された作品です。

そして2017年10月から12月までのテレビアニメ2期全13話の放送を経て、ラブライブ!サンシャイン!!初のユニットライブイベントが開催されることになりました。

出演者をユニット内ユニットであるCYaRon!、AZALEA、Guilty Kiss、加えてテレビアニメにて登場した函館のスクールアイドル・Saint Snowの計4組と据えた今回のライブ。電撃G's magazine紙面上に登場しない、アニメ出身であるライバルユニットがステージに上がるのは初めてとなります。

2018年4月27日、28日に函館アリーナにて開催され、ライブビューイング映像は日本の他にも海外13か国(韓国・台湾・香港・シンガポール・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・タイ・カナダ・フィリピン・マレーシア・インドネシア・ドイツ)で上映されます。

 

私は両日ともライブビューイングにて参加しました。

 

セットリスト

01.DROPOUT!? / Saint Snow

<MC1 / Saint Snow

02.CRASH MIND / Saint Snow

03.トリコリコPLEASE!! / AZALEA

04.LONELY TUNING / AZALEA(一日目)

04.GALAXY HidE and SeeK / AZALEA(二日目)

<MC2 / AZALEA>

05.ときめき分類学 / AZALEA(一日目)

05.INNOCENT BIRD / AZALEA(二日目)

06.元気全開DAY! DAY! DAY! / CYaRon!

07.P.S.の向こう側 / CYaRon!(一日目)

07.近未来ハッピーエンド / CYaRon!(二日目)

<MC3 / CYaRon!>

08.夜空はなんでも知ってるの? / CYaRon!(一日目)

08.海岸通りで待ってるよ / CYaRon!(二日目)

09.Strawberry Trapper / Guilty Kiss

10.Guilty Eyes Fever / Guilty Kiss(一日目)

10.コワレヤスキ / Guilty Kiss(二日目)

<MC4 / Guilty Kiss>

11.Guilty Night, Guilty Kiss! / Guilty Kiss(一日目)

11.Shadow gate to love / Guilty Kiss(二日目)

12.SELF CONTROL!! / Saint Snow

MC5

13.ユメ語るよりユメ歌おうSaint Snow、CYaRon!、AZALEA、Guilty Kiss

 

以下、内容について挙げ始めるとキリがないので特に触れたい部分だけ。

 

オープニングアニメ

なし。

ライブの導入映像として恒例のオープニングアニメですが、今回は不要とみなされたようです(用意できなかった、等の作品外の理由を考えるのは受け手として不誠実だと思うのでそう解釈します)。

ライブタイトルの「Saint Snow PRESENTS」という部分さえ理解されていれば前提として十分であったという印象で、<MC5>ではSaint Snowの二人に対して他メンバーから「函館に招いてくれてありがとう」という旨の言葉が繰り返されました。

 

01.DROPOUT!? / Saint Snow

後の<MC1>で触れられていたように、かつてSaint Snowが歌えなかった曲が二人の初披露する楽曲になりました。

この曲は今回のライブの実質的なオープニングであり、導入の説明を務める役割が課せられたのだと考えます。

誰を呼びたいの? 呼べばいいよ!

「DROPOUT!?」 歌い終わり

救いの手を求めるような叫びによって、彼女たちは沼津から3つのユニットを呼びました。プロジェクトラブライブ!という物語の中でSaint Snowがステージに立つためには、他の人々の手が必要だったからです。

 

02.CRASH MIND / Saint Snow

テレビアニメ本編では描かれなかったため、今回初めて振り付けが披露された曲。

糸の切れた操り人形が夜な夜な動きだし、何事もなかったかのように再び眠りにつく、といった感じのもの。

操り人形であることを否定し我が道を征くことを宣言する、そんなSaint Snowの自己紹介として2曲目に相応しいものだったと思います。

 

03~11 / AZALEA、CYaRon!、Guilty Kiss

2日間に分けて、それぞれのユニット楽曲を全て披露する形。

観ている私自身の心持ちもあってか、3ユニットの面々からは良い意味で緊張感が薄く、のびやかに演じている印象を受けました。

 

12.SELF CONTROL!! / Saint Snow

Saint Snowよにる初めての映像を伴う「再現」のステージは、今回最大の見せ場でした。

叫び上げる田野アサミさんと、それに呼応するように鋭くなる佐藤日向さん、その二人の歌唱と鬼気迫る表情は、まさに必死という言葉を体現したものでした。

劇中とは違い、死力を尽くして表現をする聖良と理亜は私が初めて目にするもので、イマしか出せない輝きがあったように思います。ライブのリアルタイム性や一回性を強く実感することができました。

 

アンコール

アンコールの声は上がるものの、そのまま終演。

本編のうちに今回のライブでやりたいことは全て達成されたということでしょう。

ラブライブ!に限らず、ライブのセットリストはアンコールありきと言われることもあり、実際そのような構成になっていることが少なくありません。

その場合、私はアンコールに応える際の曲=観客からの迎合や同意のもとの表現により完成する曲、と捉えることにしています。そして今回は単にそれが存在しなかった、ということになります。

そう思った方が素敵なので。

 

披露されなかった「Awaken the power」

挫折の「DROPOUT!?」が歌われるのであれば、次の場所へ行くための「Awaken the power」は必ずセットで、と思っていましたが、まさか1曲目に「DROPOUT!?」を持ってこられるとは。

導入~自己紹介を経て、今回の実質のトリである「SELF CONTROL!!」の披露という目的が見事に達成されたため、Saint Aqours Snowが結成される理由も、「Awaken the power」が歌われる理由もなくなってしまいました。

『今日は転ばなかった』から、<13.ユメ語るよりユメ歌おう>が相応しいものとされました。

 

ライブビューイング特別応援会場in大宮ソニックシティの存在

大宮会場には松田利冴さん(よしみ役)、金元寿子さん(いつき役)、芹澤優さん(むつ役)の「よいつむトリオ」が登壇しており、途中、大宮のライブビューイング会場と中継を繋ぎ大宮から函館へ応援の声を送る、という試みが成されました。

オープニングアニメや幕間映像、アンコールなどによる表現よりも中継をすることに重きが置かれたととることができますが、ではなぜか。(例によって作品外の事情は考慮しません。)

10人目の代表たる「よいつむトリオ」と、大宮会場の観客が演目の一部として参加することに意義があったように思います。間近に迫る3rdLIVE、サブタイトル「WONDERFUL STORIES」を、より「『僕たち』の物語」であると感じられそうです。

 

『遊びじゃない』と『晴れるまで遊ぼう』

Saint Snowと他3ユニットのパフォーマンスは、実に対照的でした。

田野アサミさん・佐藤日向さんの二人が上がる初めてのステージ。ビリビリとした緊張感が客席まで覆いました。

対して、ドームの舞台にも立った歴戦の3ユニット。各MCでは互いをキャラクター名で呼び合っていました。<MC5>では「楽しかった」という感想が多く発せられていたほかに、「Saint Snowに刺激をもらった」という旨のコメントもありました。

どちらのスタンスが優れていたというものではなく、それぞれのユニットがこれと思うパフォーマンスをする姿は、「CARNIVAL」というタイトルを冠するだけあるものであったと思います。 <13.ユメ語るよりユメ歌おう>にて、Saint Snowの二人を含めて互いにハグを交し合う姿が見られたことも象徴的です。

 

3ユニットが呼ばれることでSaint Snowの登壇を実現した今回のライブ。

沼津でのユニットカーニバルの開催可能性も示唆されたことで、進んできた道が繋がれ、更に拓かれていくさまを見せつけられました。

そうして我々にも還元されていく輝きを、逃がさずつかまえていきたいものです。

Aqours2ndLIVEを紐解く

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ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOURに参加したレポートおよび感想考察です。私的解釈を偉そうに書きます。

 

ラブライブ!サンシャイン!!は、2015年2月26日に雑誌『電撃G's magazine』上で開始された読者参加企画を皮切りに、2016年7月から9月までテレビアニメ全13話が放送された作品です。

2017年2月25日、26日には横浜アリーナにて1stライブが開催され、2017年4月5日には3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」が発売されました。

この度のライブはAqours初のツアーとなっており、2017年8月5日、6日には名古屋公演(日本ガイシホール)が、8月19日、20日には神戸公演(神戸ワールド記念ホール)が、9月29日、30日には埼玉公演(メットライフドーム)が開催されました。

ライブビューイング映像は日本の他にも海外10か国(韓国・台湾・香港・シンガポール・中国・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・タイ・カナダ)で上映されました。

 

私はツアーファイナルである9月30日埼玉公演2日目のみ、現地1塁側スタンド席から参加しました。

 

セットリスト(9月30日)

01.HAPPY PARTY TRAIN

02.Pops heartで踊るんだもん!

<MC1>

03.少女以上の恋がしたい

04.夏への扉 Never end ver. /桜内梨子(逢田梨香子)、国木田花丸(高槻かなこ)、小原鞠莉(鈴木愛奈)

05.真夏は誰のモノ?/黒澤ダイヤ(小宮有紗)、黒澤ルビィ(降幡愛)

06.地元愛♡満タン☆サマーライフ/渡辺曜(斉藤朱夏)、津島善子(小林愛香)

07.夏の終わりの雨音が/高海千歌(伊波杏樹)、松浦果南(諏訪ななか)

<MC2~幕間映像①>

08.未熟DREAMER

09.恋になりたいAQUARIUM

<MC3>

10.Daydream Warrior

11.スリリング・ワンウェイ

<幕間映像②>

12.近未来ハッピーエンド/ CYaRon!

13.GALAXY HidE and SeeK / AZALEA

14.コワレヤスキ/ Guilty Kiss

<キャスト映像③>

15.青空Jumping Heart

16.SKY JOURNEY

<MC4>

17.MIRAI TICKET

18.君のこころは輝いてるかい?

<アンコールアニメ>

EN1. サンシャインぴっかぴか音頭

MC5

EN2. 太陽を追いかけろ!

EN3.Landing action Yeah!!

 

一見すると最新シングルやデュオトリオコレククションなどのライブ未発表曲を並べたセットリストとなっています。

 

以下、内容について挙げ始めるとキリがないので特に触れたい部分だけ。

 

オープニングアニメ

9人を乗せた機関車が埼玉へ到着、と思いきや全速力で通過し、赤信号も無視して夜空へ飛び去っていきます。

話によるとどうやらこの演出は名古屋・神戸でも同様のものだったようです。

全速力で目の前を、いまを駆け抜けていくAqoursをこの目に焼き付けなければ、と覚悟しました。

舞台正面の扉からアニメ同様のSLと共にメンバーが登場し、一曲目に繋がります。

 

01.HAPPY PARTY TRAIN

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Aqoursの3rdシングル表題曲であり、ツアータイトルにも用いられています。

アニメの物語を追った展開をみせた1stLIVEとは打って変わり、2ndLIVEはお祭り的な楽しい『PARTY』の様相を呈した内容に見受けられました。

しかしながら英単語『PARTY』はそれだけでなく、「一行」「一座」などの意味を持ちます。

さながらこのツアーは、我々を10両目に連結した「幸せな一団の列車」です。

 

さて、この曲は全ての公演の一曲目のポジションを担っています。

開いた花の香りから 受け取ったよ次の夢を

HAPPY PARTY TRAIN」 歌い出し

このツアーが「開いた花の香りから受け取った次の夢」の具象化、その第一歩であることを象徴しています。

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光を追いかけてきた身としては目頭が熱くなるフレーズです。

Aqoursは憧れを抱きしめて、Aqoursだけの道へ走り出しました。

 

04~07.デュオトリオ楽曲

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2017年8月2日に発売された「ラブライブ!サンシャイン!! デュオトリオコレクションCD VOL.1 SUMMER VACATION」より4曲全てが披露されました。

電撃G'sMagazine紙面上で読者による衣装テーマ投票ののち発表された4組の衣装が全て再現されました。

それぞれたった一曲のために衣装が製作されるという贅沢仕様です。

<MC2>ではこれらの衣装を纏った9人が一同に介しましたが、テーマがバラバラなためごちゃ混ぜ感の強いステージとなりました。

CDと同様のセットリスト順で、夏の始まりから終わりまでが表現されています。

 

08.未熟DREAMER

<MC3>では「夏の終わりにピッタリな曲」とコメントがありました。

スクリーンに映し出されたナイアガラ花火が哀愁を感じさせる、デュオトリオの「夏」の流れから締めの一曲。

アニメ9話で使われた劇中歌テイストの強いこの曲を、Aqoursはアニメの文脈を用いずに純粋な歌と踊りのパフォーマンスとして披露できるまでになっていました。

 

12~14.ユニット楽曲

名古屋・神戸公演でも披露されていたためMCなどで衣装に言及する機会は設けられていませんでしたが、一曲披露するために着替えてくれるというのはもはや執念でしょう。

ユニット曲は本編とは違った世界観をもつものが多数であるため、セットリストの方向性がますます見えてこなくなります。

 

17.MIRAI TICKET

18.君のこころは輝いてるかい?

名古屋では劇伴「始まりの物語」から「MIRAI TICKET」のアニメ本編の流れが、開演前の会場BGMにて用いられたそうです。

そして「MIRAI TICKET」が披露されることはありませんでした。アニメ本編にてラブライブ東海地区予選会場とされた、"うってつけの舞台"といえる日本ガイシホールで、です。

これは、このツアーが「再現」を二の次に置いていること、それにアニメ本編13話とAqours1stLIVEのその先のものであるという位置づけに他なりません。

"TICKET"を得たからこそ"乗車"できたわけです。

であるが故に。

埼玉公演でのみセットリストに組み込まれた、明らかに浮いているこの2曲の流れ。

ここで感じた強烈な違和感は、このツアーのコンセプトを紐解く鍵になりました。

当記事下部で再度触れます。

 

アンコールアニメ

機関車が燃料不足となり、沼津へ帰れない。が、参加者のAqoursコールにより復活し、お礼にパフォーマンスをしてから帰ろう。というもの。

いまや恒例となった、画面越しのコールを想定したアニメーション。

Aqoursに乞われるがままコールをするわけなんですが、呼びかければ彼女らは沼津に帰ってしまうとわかっているのに、みんな声を出さずにはいられないんですよね。

なんて幸せな空間なんだろう、と噛み締めました。

 

EN1. サンシャインぴっかぴか音頭

お祭りの曲。

伊豆・三津シーパラダイスマスコットキャラクター、うちっちーがゲストとして登場。

これは何気に凄いことだと思っていて、「ラブライブ!」は作品構造上、二次元とリンクした存在しかステージに上がる権利を持たないため、バックバンドやバックダンサーを置くことができません。

しかし、作品内で現実の存在とコラボレーションを行い、その結果 沼津と強く結びつく楽曲でそれと共演をするに至ったということは、「ラブライブ!サンシャイン!!」ならではの進歩でしょう。

たこの曲では、高海千歌(伊波杏樹)さんが和太鼓の演奏を務めました。Aqoursの「挑戦」を続ける姿がいつも美しい。

 

EN2. 太陽を追いかけろ!

Aqoursのアンセム的楽曲。

楽曲冒頭に入る点呼、『9!』の後の一拍で「10!」コールをするわけですが、後ろに続く『OK?』は原曲に反して歌われませんでした。

そこには、「10!」を拾いに行くという意思表示がなされていました。

そして、合唱つまり共有を求めるときの歌詞字幕表示あり。輝かざるを得ない。

 

EN3.Landing action Yeah!!

2017年6月30日に発売された、「Aqours NEXT Step! Project」テーマソング。歌詞字幕表示あり。

2017年11月から始まる「ラブライブ!サンシャイン!!Aqours クラブ活動 LIVE & FAN MEETING 〜 Landing action Yeah!! 〜」のための楽曲であるため今回のセットリストには組み込まれない、といった憶測もちらほらと見受けられました。

が、蓋を開けてみれば、アンコールでこの楽曲が歌われることは必然であったように思えます。

 

本題 Aqours2ndLIVEを紐解く

HAPPY PARTY TRAIN TOUR」は、コールで盛り上がる曲、激しいダンスで魅せる曲など、盛り沢山でなんでもござれの楽しいライブでした。

その反面、どこか統一感がなくコンセプトの読み取りにくいものであったという所感です。

その中でひとつ、特に印象に残ったのが<MC5>で繰り広げられた名MCの数々です。キャストの物語を色濃く感じさせる、感涙を禁じ得ないものでした。

このツアーには、このところの公式ファンクラブ「Aqours CLUB」をはじめとしたさまざまなメディアでのキャスト露出率も手伝ってか、キャストの物語が矢面に立っていた印象を受けました。

1stLIVEでは、キャストが観衆の前にキャラクターを顕現させるべく粉骨砕身する姿に強く胸を打たれたことが記憶に新しいですが、2ndLIVEのそれは少し違ったものであることに気付きます。

 

1stLIVEと2ndLIVE、キャストの在り方の相違

Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~のパンフレットを開くと、メンバー紹介の項ではキャラクターとキャストが=(イコール)で繋がれています。ラブライブ!ではおなじみの、作品観を象徴する表記です。

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CV表記の箇所もありますね。キャラクターとキャストは"鏡合わせ"。

では、今回の2ndLIVEのパンフレットを見てみると。

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なんと、キャラクターとキャストの名前が併記されたページがひとつも存在しません。

 

この表現の背景には、ツアーファイナルから一週間後に放送開始を控えたアニメ2期の存在があると考えます。

とうにアフレコを終えているキャストたちAqoursは我々の知らないAqoursを一足早く知っているわけで、双方のAqours観には一定の乖離が生じてしまっていることが自明です。

が、しかし。だからこそできることがある。

キャストによる再現ではない、"キャストによるキャラクターの拡大"です。

ところで、私の目は黒澤ルビィちゃんを追いがちな習性があるようなのですが、さまざまなテイストの楽曲が散りばめられた今回のライブでは、この曲のルビィちゃんはこんな風に踊るんだ、こんな表情をするんだ、といった発見がいくつもありました。

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キャラクターとキャストは"表裏一体"なのだから。

"片側の面からもう片側の面への干渉"という新しい形の表現は、 Aqoursが『次の夢』の第一歩を踏み出した証左と言えるでしょう。

 

ここでひとつ、振り返り。

16.SKY JOURNEY

ここまで正直かなりこじつけ的な解釈を書きましたが、上記を踏まえるとセットリストにおけるこの楽曲の存在意義や配されたポジションに説得力が生まれるので気に入っています。

ふわっとした歌詞が、キャスト→キャラクターの構造めいてくる気がしませんか。

わざわざ<MC4>で言及された演出、背景モニターに映されたエフェクトと振付とのリンクは、"二次元と三次元のリンク"であり、"キャストと背面のリンク"です。

 

二面間を繋ぐもの

17.MIRAI TICKETは、伊波杏樹さんによる『TVアニメ第13話挿入歌、MIRAI TICKET』の宣言から入るもので、非常に違和感を持ちました。

これは一体何だったのか。

 

私は、両面のAqoursがまだ見ぬ次のステップに踏み出すために、輝きの原点に立ち返る必要があったからと考えました。

Aqoursはゼロからイチへのステップを踏むにあたって、ある気付きを得ていました。

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輝くって、楽しむこと。

Aqours

今回Aqoursは、「MIRAI TICKET」~「君のこころは輝いてるかい?」というアニメ本編13話、並びにその追体験である1stLIVEからの地続きの表現によってこれを振り返りました。

 

Next Step

では、イチから次のステップのために必要なのは何か。もっと『輝く』には、もっと『楽しむ』にはどうすればいいか。

そこで出てきたのがこれ。

あそ‐ぶ
遊ぶ
スポーツ・趣味など好きなことをして楽しい時間を過ごす。

 

Aqoursが掴み取った方程式「輝くこと」=「楽しむこと」=「遊ぶこと」

「楽しい時間を過ごすこと」と定義される「遊ぶ」は、「楽しむこと」を最上としたAqoursにとって、最強の動詞です。

片側が面立つAqoursにとって、この度の『PARTY』は「遊ぶ」にはうってつけの舞台でした。

遊ぼうSplash!

夏への扉 Never end ver.」 1サビ

嵐が来たら 晴れるまで遊ぼう

それも楽しみだねホントさ

未熟DREAMER」 2サビ

空色カーテン Open! 海色ゲート Welcome!

あ・そ・び・ま・しょう

恋になりたいAQUARIUM」 歌い出し

とまらないよ とまらないよ あふれそうな想いは

世界中で遊びたいって心からの希望

「スリリング・ワンウェイ」 1サビ

Landing action

今日はどこで 君と遊ぼうかな

さあみんなでCall&Dance!

Aqours Next Step! Project テーマソング「Landing action Yeah!!」 歌い出し

まだまだいっぱいあるんだ 話したいこと

待ってるだけじゃ伝わらない

だから遊ぼう ここで遊ぼう 今日は遊ぼう!

Aqours Next Step! Project テーマソング「Landing action Yeah!!」 歌い終わり

こうしてAqoursの2ndLIVEである「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」は、『次の夢』の入口を提示することで終着をみました。

全速力で走り続けるAqoursには、これからも無数の輝きの瞬間が待ち受けていることでしょう。そして、Aqoursについていくと決めたみんなにも。

Aqoursが1stLIVEで用いた文法

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ラブライブ!サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~に参加したレポートおよび感想考察です。私的解釈を偉そうに書きます。

 

ラブライブ!サンシャイン!!は、2015年2月26日に雑誌『電撃G's magazine』上で開始された読者参加企画を皮切りに、2016年7月から9月までテレビアニメ全13話が放送された作品です。

この度のライブは2017年2月25日、26日の二日間にわたって横浜アリーナにて開催され、ライブビューイング映像は日本の他にも海外10か国(韓国・台湾・香港・シンガポール・タイ・オーストラリア・マレーシア・フィリピン・中国・アメリカ)で上映されました(全国106会場、海外31会場)。

 

私は一日目は横浜アリーナ・アリーナ席Eブロックの座席から、二日目はライブビューイングにて参加しました。

 

セットリスト

01.青空 Jumping Heart/Aqours

02.恋になりたい AQUARIUM/Aqours

– MC1 –

03.AqoursHEROES/Aqours(一日目)

03.ハミングフレンド/Aqours(二日目)

– 幕間アニメ1 –
04.決めたよ Hand in Hand/高海千歌(CV.伊波杏樹)、桜内梨子(CV.逢田梨香子)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)

05.ダイスキだったらダイジョウブ!/高海千歌(CV.伊波杏樹)、桜内梨子(CV.逢田梨香子)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)

– MC2 –

06.夢で夜空を照らしたい/高海千歌(CV.伊波杏樹)、桜内梨子(CV.逢田梨香子)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)、津島善子(CV.小林愛香)、国木田花丸(CV.高槻かなこ)、黒澤ルビィ(CV.降幡 愛)

– 幕間アニメ2 –

07.元気全開 DAY! DAY! DAY!/CYaRon!(高海千歌(CV.伊波杏樹)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)、黒澤ルビィ(CV.降幡 愛))

― CYaRon! MC ―

08.夜空はなんでも知ってるの?/CYaRon!(高海千歌(CV.伊波杏樹)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)、黒澤ルビィ(CV.降幡 愛))

09.トリコリコ PLEASE!! /AZALEA(松浦果南(CV.諏訪ななか)、黒澤ダイヤ(CV.小宮有紗)、国木田花丸(CV.高槻かなこ))

― AZALEA MC ―

10.ときめき分類学/AZALEA(松浦果南(CV.諏訪ななか)、黒澤ダイヤ(CV.小宮有紗)、国木田花丸(CV.高槻かなこ))

11.Strawberry Trapper/Guilty Kiss(桜内梨子(CV.逢田梨香子)、津島善子(CV.小林愛香)、小原鞠莉(CV.鈴木愛奈))

― Guilty Kiss MC ―

12.Guilty Night, Guilty Kiss!/Guilty Kiss(桜内梨子(CV.逢田梨香子)、津島善子(CV.小林愛香)、小原鞠莉(CV.鈴木愛奈))

― アニメ本編ダイジェスト1 ―

13.未熟DREAMER/Aqours

14.想いよひとつになれ/Aqours

― MC3 ―

15.届かない星だとしても/Aqours(一日目)

15.待ってて愛のうた/Aqours(二日目)

― アニメ本編ダイジェスト2 ―

― 寸劇パート ―

16.MIRAI TICKET/Aqours

― MC4 ―

17.君のこころは輝いてるかい?/Aqours

― アンコールアニメ ―
EN1.Pops heart で踊るんだもん!/Aqours

EN2.ユメ語るよりユメ歌おう/Aqours

MC5

EN3.Step! ZERO to ONE/Aqours

 

劇中歌に合わせてアニメ本編ダイジェストを挟むことで、物語が進行するセットリストになっていました。

 

以下、内容について挙げ始めるとキリがないので特に触れたい部分だけ。

 

06.夢で夜空を照らしたい

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アニメ劇中映像のスカイランタンを模して、客席は橙の明かりを灯していました。

サビの入りの振り付けがワイパー風であることも相まって、1stライブとは思えないほど調和のある光景でした。

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またこの曲に限った話ではありませんが、今回会場はセンターステージの床面がモニターになっており、床面に映像効果を展開する演出はどれも美しいものでした。

 

13.未熟DREAMER

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アニメ本編ダイジェスト1、第9話の映像からそのまま繋がる形で披露。

未熟DREAMER」はアニメ劇中歌の中でも特に劇中要素の強い(歌詞に普遍性を見出しにくい)楽曲であるため、本編ダイジェストの挿入はとても効果的に感じました。

またそれだけでなく、Aqoursのキャスト9人がAqoursの9人を追いかけるために必要な儀式のようにも見えました。

ステージ演出面では、アニメ劇中映像のナイアガラ花火が火薬によって再現されました。
 

上記2曲はアニメ本編において、彼女たちの出発地点として地元性に主眼が置かれています。

幕間アニメ1および2にて両者とも『沼津』に終着した意味はここにあるのではないかと思います。

 

14.想いよひとつになれ

桜内梨子役・逢田梨香子さんのピアノ伴奏によって、今回のライブで最も「化けた」曲。

二日目はさらにすさまじいドラマが待っていました。

あまりの出来事に既に多くの人がレポートを記事にしておりますので、中でも特に素晴らしい文章だと思ったゆふさん(@winter2y)の記事をご紹介させていただきます。

 

今回のライブで特に泣かされたのは、輝きを目指して努力や成長をするキャストの方々の姿です。

ピアノにゼロから挑戦した逢田さんに限らず、9人のライブパフォーマンスは全編を通して疲れを見せないもので、かつ踊りながらの歌唱には驚くほどの安定感があり、9人全員に並々ならぬ努力があったことが容易く見て取れました。

この曲が結果的に伝説の1ページとなったことも、奇跡でもなんでもなく、彼女たちの努力があったからなのだなと思います。

 

寸劇パート

アニメ13話寸劇パートの再現は「ライブでやるためにあったのか」と思ってしまうほどの衝撃でした。

圧倒的なライブ感と、誰か一人でも一言でも噛んだら台無しの張りつめた緊張感、自分がアニメ13話の会場の一人になったかのようでした。

これが行われたことにより、キャスト9人のみならず観客を含めて「劇中の体験」ができたように思えます。

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16.MIRAI TICKET/Aqours

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寸劇パートを経て、そのまま劇中通りの流れで「10」の点呼から「MIRAI TICKET」へ。

アニメ本編では、青染めによってAqoursの志が会場に伝播したことが示されます。

ならばこれを再現する我々も、そうならざるを得ないでしょう。

 

EN3.Step! ZERO to ONE/Aqours

このライブのタイトルになっている楽曲。この曲をテーマに据えた理由が最も如実に表れていたのは、センターモニターに歌詞が表示されていたことです。

一緒に歌うこと、歌を共有することは、同じ志を持つことで、特別なことです。

この曲の前のMC5では、キャストの各々から、このファーストライブを通じて初めての経験や挑戦が数多くあったことが語られています。

それらを「寸劇」や「MIRAI TICKET」による”追体験”を通して受け手に還元すること。そしてAqoursの9人がそうであったように、ゼロからイチへのステップの後押しをすることで、Aqoursのファーストライブは完了をみました。

”還元”はアンコールアニメでの点呼にも象徴されていました。数字ではなく隣の人の名前を呼び、千歌は私たちに呼びかけることで、「Step! Zero To ONE」を共有すること、それによって私たちを勇気づけることに繋がっていたように感じます。

 

Aqoursのファーストライブは、アニメと現実の次元を繋ぎ、アニメを活かした、非常にメッセージ性のある作品でした。

僕の人生は、今日も太陽に照らされています。