HAKODATE UNIT CARNIVALの感想
Saint Snow PRESENTS LOVELIVE! SUNSHINE!! HAKODATE UNIT CARNIVALに参加した感想です。
ラブライブ!サンシャイン!!は、2015年2月26日に雑誌『電撃G's magazine』上で開始された読者参加企画を皮切りに、2016年7月から9月までテレビアニメ1期全13話が放送された作品です。
そして2017年10月から12月までのテレビアニメ2期全13話の放送を経て、ラブライブ!サンシャイン!!初のユニットライブイベントが開催されることになりました。
出演者をユニット内ユニットであるCYaRon!、AZALEA、Guilty Kiss、加えてテレビアニメにて登場した函館のスクールアイドル・Saint Snowの計4組と据えた今回のライブ。電撃G's magazine紙面上に登場しない、アニメ出身であるライバルユニットがステージに上がるのは初めてとなります。
2018年4月27日、28日に函館アリーナにて開催され、ライブビューイング映像は日本の他にも海外13か国(韓国・台湾・香港・シンガポール・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・タイ・カナダ・フィリピン・マレーシア・インドネシア・ドイツ)で上映されます。
私は両日ともライブビューイングにて参加しました。
セットリスト
01.DROPOUT!? / Saint Snow
<MC1 / Saint Snow>
02.CRASH MIND / Saint Snow
03.トリコリコPLEASE!! / AZALEA
04.LONELY TUNING / AZALEA(一日目)
04.GALAXY HidE and SeeK / AZALEA(二日目)
<MC2 / AZALEA>
05.ときめき分類学 / AZALEA(一日目)
05.INNOCENT BIRD / AZALEA(二日目)
06.元気全開DAY! DAY! DAY! / CYaRon!
07.P.S.の向こう側 / CYaRon!(一日目)
07.近未来ハッピーエンド / CYaRon!(二日目)
<MC3 / CYaRon!>
08.夜空はなんでも知ってるの? / CYaRon!(一日目)
08.海岸通りで待ってるよ / CYaRon!(二日目)
09.Strawberry Trapper / Guilty Kiss
10.Guilty Eyes Fever / Guilty Kiss(一日目)
10.コワレヤスキ / Guilty Kiss(二日目)
<MC4 / Guilty Kiss>
11.Guilty Night, Guilty Kiss! / Guilty Kiss(一日目)
11.Shadow gate to love / Guilty Kiss(二日目)
12.SELF CONTROL!! / Saint Snow
<MC5>
13.ユメ語るよりユメ歌おう / Saint Snow、CYaRon!、AZALEA、Guilty Kiss
以下、内容について挙げ始めるとキリがないので特に触れたい部分だけ。
オープニングアニメ
なし。
ライブの導入映像として恒例のオープニングアニメですが、今回は不要とみなされたようです(用意できなかった、等の作品外の理由を考えるのは受け手として不誠実だと思うのでそう解釈します)。
ライブタイトルの「Saint Snow PRESENTS」という部分さえ理解されていれば前提として十分であったという印象で、<MC5>ではSaint Snowの二人に対して他メンバーから「函館に招いてくれてありがとう」という旨の言葉が繰り返されました。
01.DROPOUT!? / Saint Snow
後の<MC1>で触れられていたように、かつてSaint Snowが歌えなかった曲が二人の初披露する楽曲になりました。
この曲は今回のライブの実質的なオープニングであり、導入の説明を務める役割が課せられたのだと考えます。
誰を呼びたいの? 呼べばいいよ!
「DROPOUT!?」 歌い終わり
救いの手を求めるような叫びによって、彼女たちは沼津から3つのユニットを呼びました。プロジェクトラブライブ!という物語の中でSaint Snowがステージに立つためには、他の人々の手が必要だったからです。
02.CRASH MIND / Saint Snow
テレビアニメ本編では描かれなかったため、今回初めて振り付けが披露された曲。
糸の切れた操り人形が夜な夜な動きだし、何事もなかったかのように再び眠りにつく、といった感じのもの。
操り人形であることを否定し我が道を征くことを宣言する、そんなSaint Snowの自己紹介として2曲目に相応しいものだったと思います。
03~11 / AZALEA、CYaRon!、Guilty Kiss
2日間に分けて、それぞれのユニット楽曲を全て披露する形。
観ている私自身の心持ちもあってか、3ユニットの面々からは良い意味で緊張感が薄く、のびやかに演じている印象を受けました。
12.SELF CONTROL!! / Saint Snow
Saint Snowよにる初めての映像を伴う「再現」のステージは、今回最大の見せ場でした。
叫び上げる田野アサミさんと、それに呼応するように鋭くなる佐藤日向さん、その二人の歌唱と鬼気迫る表情は、まさに必死という言葉を体現したものでした。
劇中とは違い、死力を尽くして表現をする聖良と理亜は私が初めて目にするもので、イマしか出せない輝きがあったように思います。ライブのリアルタイム性や一回性を強く実感することができました。
アンコール
アンコールの声は上がるものの、そのまま終演。
本編のうちに今回のライブでやりたいことは全て達成されたということでしょう。
ラブライブ!に限らず、ライブのセットリストはアンコールありきと言われることもあり、実際そのような構成になっていることが少なくありません。
その場合、私はアンコールに応える際の曲=観客からの迎合や同意のもとの表現により完成する曲、と捉えることにしています。そして今回は単にそれが存在しなかった、ということになります。
そう思った方が素敵なので。
披露されなかった「Awaken the power」
挫折の「DROPOUT!?」が歌われるのであれば、次の場所へ行くための「Awaken the power」は必ずセットで、と思っていましたが、まさか1曲目に「DROPOUT!?」を持ってこられるとは。
導入~自己紹介を経て、今回の実質のトリである「SELF CONTROL!!」の披露という目的が見事に達成されたため、Saint Aqours Snowが結成される理由も、「Awaken the power」が歌われる理由もなくなってしまいました。
『今日は転ばなかった』から、<13.ユメ語るよりユメ歌おう>が相応しいものとされました。
ライブビューイング特別応援会場in大宮ソニックシティの存在
大宮会場には松田利冴さん(よしみ役)、金元寿子さん(いつき役)、芹澤優さん(むつ役)の「よいつむトリオ」が登壇しており、途中、大宮のライブビューイング会場と中継を繋ぎ大宮から函館へ応援の声を送る、という試みが成されました。
オープニングアニメや幕間映像、アンコールなどによる表現よりも中継をすることに重きが置かれたととることができますが、ではなぜか。(例によって作品外の事情は考慮しません。)
10人目の代表たる「よいつむトリオ」と、大宮会場の観客が演目の一部として参加することに意義があったように思います。間近に迫る3rdLIVE、サブタイトル「WONDERFUL STORIES」を、より「『僕たち』の物語」であると感じられそうです。
『遊びじゃない』と『晴れるまで遊ぼう』
Saint Snowと他3ユニットのパフォーマンスは、実に対照的でした。
田野アサミさん・佐藤日向さんの二人が上がる初めてのステージ。ビリビリとした緊張感が客席まで覆いました。
対して、ドームの舞台にも立った歴戦の3ユニット。各MCでは互いをキャラクター名で呼び合っていました。<MC5>では「楽しかった」という感想が多く発せられていたほかに、「Saint Snowに刺激をもらった」という旨のコメントもありました。
どちらのスタンスが優れていたというものではなく、それぞれのユニットがこれと思うパフォーマンスをする姿は、「CARNIVAL」というタイトルを冠するだけあるものであったと思います。 <13.ユメ語るよりユメ歌おう>にて、Saint Snowの二人を含めて互いにハグを交し合う姿が見られたことも象徴的です。
道
3ユニットが呼ばれることでSaint Snowの登壇を実現した今回のライブ。
沼津でのユニットカーニバルの開催可能性も示唆されたことで、進んできた道が繋がれ、更に拓かれていくさまを見せつけられました。
そうして我々にも還元されていく輝きを、逃がさずつかまえていきたいものです。